小説 生野高校聖書研究会
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昭和三十八年…。
まだ高度経済成長の熱気が日本を包み込み、
人々が「明日は今日より豊かになる」と信じていた時代。
その時代の高校生たちを描きながら、私は同時に、自分自身の高校二年生の頃を何度も思い起こしていました。
もし今の私が、あの頃の自分に会えるなら、きっとこう語りかけると思います。
『世界は広い。しかし、本当に広いのは、聖書の世界だ』 と
この本は、単なる青春小説ではありません。聖書全体の壮大な物語を、高校生たちの成長と対話を通して学ぶことができる、新しい形の聖書入門書です。舞台は、昭和三十八年の大阪。放課後の教室に集まった六人の高校生たちが、聖書研究会での学びと対話を通して、人生とは何か、神とは誰かを問い始めます。
この本は、未信者の方はもちろん、クリスチャンでありながら「聖書全体の流れがよく分からない」「旧約聖書と新約聖書の関係が見えない」と感じている方々のために執筆しました。
私は長年、聖書を教える働きを続ける中で、多くの人が聖書の断片的な知識は持っていても、創世記から黙示録までを貫く神の救済計画の全体像を理解していないことに気づかされてきました。本書は、その全体像を分かりやすく伝えるために生まれました。
また、この小説には私自身の思いが込められています。それは、「今の私が高校時代の自分に聖書を教えるなら、どのように語るだろうか」という問いです。
高校二年生だった私は無神論者でした。「死は人生の終着駅である」と信じ、人生の意味について確かな答えを持っていませんでした。しかし今振り返ると、神はその頃からすでに私を導いておられたのです。本書に登場する高校生たちの姿には、当時の私自身の姿が重ねられています。
本書は、私が以前語った24回シリーズのメッセージ『創造から新天新地へ』を土台として小説化したものです。創世記の天地創造から始まり、人類の堕落、アブラハム契約、イスラエルの歴史、メシア到来の約束、イエス・キリストの十字架と復活、教会の誕生、そして黙示録が描く新天新地に至るまで、聖書全体を一本の物語としてたどります。
聖書は二千年以上前に書かれた古い書物ですが、そのメッセージは決して古びることがありません。時代を超えて人間の本質を語り、人生の意味を示し、未来への希望を与える神のことばです。
特に若い日に神を知ることは、大きな祝福です。人生の土台を築く時期に永遠の真理に出会うことができれば、その後の歩みは大きく変わります。しかし、この本は若い人だけのための本ではありません。人生のどの段階にいる方であっても、聖書の大きな物語を知ることによって、自分自身の人生を新しい視点から見ることができるでしょう。
この本が、一人でも多くの方にとって「聖書との最初の出会い」となり、また聖書全体の壮大な物語を発見する旅への入り口となることを願っています。
中川健一
目次
00 序章 春の校門
01 創世記1章 世界の始まりと私の始まり
02 創世記3章 人類の堕落と救い主の約束
03 創世記12章 アブラハムの選び
04 出エジプト記12章 出エジプトの夜
05 出エジプト記20章 シナイ契約
06 ヨシュア記1章 奴隷生活から定住生活へ
07 サムエル記下7章 ダビデ契約とメシアの希望
08 列王記下25章 王国崩壊
09 イザヤ書53章 受難のしもべの預言
10 エレミヤ書31章 新しい契約
11 ダニエル書7章 終末の王国
12 歴代誌下36章 帰還の命令
13 マタイによる福音書1章 メシアの系図
14 ヨハネによる福音書1章 光はやみの中に輝いている
15 マタイによる福音書5章 メシアによる律法解釈
16 ヨハネによる福音書3章 新創造の始まり
17 マタイによる福音書16章 教会誕生の予告
18 マタイによる福音書26章 新しい契約
19 マタイによる福音書27章 十字架
20 ヨハネによる福音書20章 復活
21 使徒行伝2章 教会の誕生
22 ローマ人への手紙3章 信仰義認
23 ローマ人への手紙11章 イスラエルの回復
24 黙示録21章 新天新地
あとがき
著者:中川健一
出版:ハーベストタイム・ミニストリーズ
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